■はじめに―新築設計に携わるスタンス
いい住まいづくりの第一歩は、価値観の合う造り手と出会うことだと思います。
家族によって暮らし方も考え方も様々、必要としているものも様々です。
だから、住まいのかたちも、それを実現していくための道のりも様々でしょう。
水の葉設計社は、次に挙げるようなことを考えながら住宅設計に取り組みます。
手間も時間も掛かるかもしれないけど納得のいく家づくりをしたいと考える住まい手と共に
永く愛着を持てる住まいを造っていけたらと思っています。
《住まいづくりの3つの視点》
1.住まい手の視点から
- 新しい住まいを計画することは、暮らしを再考することに繋がります。今までの暮らしを見つめ直し、そこから生まれる新たな暮らしに対する様々な想い。私たち設計者の役割のひとつは、家づくりに絡む様々な想いを整理整頓し、主役である住まい手のサポート役として新たな暮らしの場を練り上げていくことだと考えています。
- また、住宅は暮らしの場としての基本的な性能を備えていなければなりません。機能性、耐震性、耐火性、快適性、省エネ性、高齢化対応、メンテナンスのしやすさ、等々…目に見えないところで住宅に求められる性能は多岐に渡ります。これら見落とされがちな「見えないデザイン」の部分もしっかりと計画し、時にはシミュレーションも活用しながら分かりやすくご説明した上で、住まい手の納得を持って家づくりを進めていく事が、専門家として設計者に求められる事だと考えています。
2.社会の視点から
- 住宅は個人の資産であると同時に、地域環境から地球環境まで多少なりとも影響を与えるものでもあります。その家が新たに建つことによって社会が少し良くなるような家づくりを意識して設計活動を行いたいと考えています。
- たとえば、、
- ・住宅は街なみや景観を形づくる大きな要素であること
- ・素材の選択によって地域の活性化や経済循環に寄与できる可能性があること
- ・建設/解体時の環境負荷や、生活していく中での環境負荷を抑える必要があること
- このような建物の「外」の事にも目を向け、それを住まい手と共有しながら計画を進めていく事が納得のいく家づくりに繋がると考えます。
3.建物の視点から
- 家の寿命は、経年劣化という物理的な側面と、所有者の意思という人為的な側面によって決まります。どれだけ愛着を持ってもらっていても修繕で対応できる限界はありますし、どれだけ状態がよくても住まい手の状況に合わなければ取り壊されてしまうかもしれません。
- 80年、100年と永く愛着を持って住み継がれることが、その家と、設計者の何よりの願いです。そのための長寿命化の対応は必須だと考えています。
- 経年と共に美しく地域に馴染む家―
- 子どもたちの記憶にいつまでも刻まれる家―
- それが新築設計において目指している建物の姿です。
この「3つの視点」を踏まえた性能設計の方針は、性能のデザインのページをご覧ください。